青嵐の旅人 作者:天童荒太 ・ 画:高杉 千明 |
(2023年1月21日より毎日新聞朝刊に連載) |
「青嵐の旅人」は、幕末の松山から物語が始まります。 おへんろ宿で育てられた姉弟と、侍の少年。激動の時代を生きる3人の成長を描きます。 挿画を手掛けるのは、イラストレーターの高杉千明さん。端正かつみずみずしい画風で物語を彩ります。 【作者の言葉】 中学生の頃から大河ドラマを見て、不思議に思っていた。 なぜ信長や秀吉が英雄として語られるのか。戦(いくさ)や年貢や身分で、多くの民をあやめたり苦しめたりした人たちなのに。 もし時代小説を書く機会があれば、虐げられながら生きゆく民から、その時代を見つめ直したかった。 年表に残る正史は、運よく勝者となった者の手によるが、実際の歴史は名もなき民たちが支えている。 だから今回、江戸や京ではなく、象徴的に地方を舞台に、庶民が嵐のような時代を互いに助け合い、生き抜く姿を構想した。 もちろん読み物として、面白くもありたい。 幕末から明治初期にかけ、少年少女が多くの戦と恋を経験しながら、時代と共に成長し、真の希望に向けて旅立つ物語として。 (毎日新聞 2023/1/11 東京朝刊) )) |
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